「ゴホゴホッ」「ウウンッ」「オホン」
隣の席から頻繁に聞こえてくる咳払いにうんざりしているという方、結構いらっしゃると思います。
視線恐怖症に苦しみ、人一倍周囲の音に敏感だった頃の私にとっては気が狂わんばかりの苦しみでした。
この問題をどう解決すべきか、今回お話ししたいと思います。
目次
そもそもなぜ咳払いに腹を立てるのか
咳払いが気になるとはいっても、私は咳払い全てを嫌っていたわけではありません。
風邪でせき込むなど、やむを得ない事情があることが明らかな場合は全く気になりませんでした。
一方、「それやる必要ある?」と思ってしまう咳払いはどうしても無視することができず、つらい思いをしました。
・隣で1分おきに行われる空咳
・人が目の前を通るたびにする咳払い
これらは意図的に行われるものです。
そして私の中には
「公共の場で意図的に不要な音を立てるのは、他者への配慮がない非常識な行為だ」
という思いがありました。
そのため外で咳払いを見聞きするたびに、苛立ち・腹立たしさ・それをどうにもできないもどかしさに苦しみました。
当時は精神的に参っていたこともあり、単純な腹立たしさだけでなく「自分の存在が不快だから咳払いされたのでは」という加害・被害妄想も加わりとにかく大変でした。
まずはNG対策から
本題に入る前に、まずはお勧めしない対策(NG対策)から紹介します。
無駄な対策に時間を割かないために、ここもご一読いただければと思います。
<NG対策1>咳払いする人の意識を改めてやめさせる
これは最悪です。
ほぼ100%無理だからです。
直接言っても暗に不快感を示してもおそらく相手は何も変わらないでしょう。
たとえばあなたが隣の人に、「あなたのキーボードの打ち方は何か気取っているようで嫌だ」と言われたら変えますか?
「普通にしているだけなのに・・・」と思って終わりではないかと思います。
他人を変えることはできません。
価値観は人それぞれ。皆違います。
咳払いをする人のほとんどは自分が悪いことをしているとは思っていません。
「公共の場で意図的に不要な音を立てるのは、他者への配慮がない非常識な行為だ」
これは私(あなた)の考えにすぎないのです。
<NG対策2>咳払いする人を排除する
可能であればそれも良いかもしれませんが、思い通りにならないのが人生です。
うまくはいかないでしょう。
それにこれを良しとしてしまうと、別の物事であなたが排除されることを受け入れなければならなくなります(あなたに悪気がなかったとしても)。
<NG対策3>咳払いする人のそばから離れる
落ち着いた良い対応です。
考え方が合わないなら距離を置けば良い
離れることが可能な状況であればこれがベストでしょう。
しかし学校・職場などそれが許されない状況では困ってしまいます。
そして咳払いに悩む方の大半はこのパターンに該当します。
※耳栓・イヤフォンなどで音を遮断する方法も同様です。
授業が聞き取れなくなる、他の人に話しかけられても気づけない、といった理由もあり、いつでもできる対策ではないと思います。
お勧めする対策:「気にならなくなる」状態を自分から作り出そう
ここまでNG対策について紹介してきました。
いずれも自分の価値観を曲げずに事を収めようとするために失敗しています。
元凶は「咳払いする人」ではありません。
あなたがいら立つとき、その原因は「あなたの受け止め方」にあるのです。
<お勧め対策1>相手の立場で考えてみる
”腹が立つ”
という主観から一度離れて、相手の立場で考えてみてください。
・もしかしたら生まれつき喉が悪い方かもしれません。
・咳払いをしないと心が落ち着かない人なのかもしれません。
(チックという心理的な病気の可能性もあります)
・咳払いではありませんが、生まれつき鼻の通りが悪く、食事中クチャクチャ音を立てざるを得ない人もいます。
・満員で音が鳴っているエレベータに乗ってくる人が実は耳の聞こえない人だった、という話もあります。
先ほど人の価値観は様々と言いましたが、置かれている状況も人によって様々です。
想像力を働かせて色々な人の立場に立って考えてみると、新たな発見があるかもしれません。
<お勧め対策2>相手のことをよく知り良好な関係を築く
「そんなことできるわけないでしょ!」
とお思いの方、気持ちはよくわかります。
でもあえて言います。
いら立つ気持ちをぐっとこらえて相手を理解しようとする
この気持ちが大切です。
最初から敵意を持って接した相手と良い関係を気づくことは不可能です。
”坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”
という言葉もある通り、相手を嫌いになってしまうと咳払いがますます憎いのもになってしまいます。
腹立たしい気持ちを抑えて「良好な関係を築こう」と思って接してみてください。
あなたが前向きな気持ちで接すれば、たいていの人は良い反応を返してくれるでしょう。
そしてその人の咳払いは悪意があって行われているわけではないことに気づくはずです。
「なんだ。この人悪気があってやってるんじゃないんだ。」
と思うことができたら同じ咳払いでもあなたの感じ方は大きく変わります。
<お勧め対策3>悪い方向に考えない。前向きに考える
これは対策1・対策2を成功させるための対策です。
対策1で述べたような個々人の事情に関係なく、単純に無神経なだけだったり、自分の存在をアピールするために意図的に咳払いしたりする人も実際にはいます。
しかし「あの人は無神経だから咳払いをしている」と思ったところで、それはあなたの思い込みでしかありません。
本当の理由は咳払いをしている当人にしかわかりません。
本当の理由を知りえないのであれば
「あの人にはやむを得ない事情があるに違いない」
と思ったほうが楽だと思いませんか。
前向きな選択と後ろ向きな選択、両方できるのであれば前向きな方にとらえたほうが絶対にいいです。
この考え方、最初は難しいと思いますが、繰り返すうちに習慣化していきます。
だまされたと思って実践してみてください。
まとめ
いかがでしょうか。
咳払いは一度になってしまったら気にせず過ごすことは難しいです。
単純に「気にしないようにしよう」だけでは逆効果になることもあります(やっぱり気になりますもんね)。
そこから一歩踏み込んで、気にならなくなるための工夫を凝らすことが解決へのコツです。
コメント
大学生です。
自分も周りの咳払いが嫌で体に響くような感じがしたり、わざとやっているのかと思ってしまいます。
また周りが気になりすぎて被害妄想がでたりして外出するのが億劫になりました。筆者は対人恐怖症を治すのにどのくらい時間がかかりましたか?またコラムに書いてあるような方法で治しましたか?
コメントありがとうございます。
>体に響くような感じ
この感覚よくわかります。
すごく的確な表現ですね。
咳払いのたびに胸が締め付けられるような何とも言えない苦しみを、いまさらながら思い出しました。
私の対人恐怖症・視線恐怖症歴についてですが、苦しんだ期間そのものでいえば10年以上と長いですが、
本気で治そうと努力(試行錯誤)を始めてからは大体1年程度で完治に至りました。
治療法について、悩みの対象が咳払いのみであれば当記事の方法で十分だと思います(そのつもりで書いたので)。
ただコメントを拝見する限りdaiさんは対人恐怖症の症状も現れているようなので、もう少し根本的な対策が必要かなと感じます。
対人恐怖症(視線恐怖症)の治療には
「自分自身と徹底的に向き合い苦しみの真の原因を探り当て、そこに対策を打つ」
ことが欠かせないと考えています。
当サイトを一通り見ていただければもう少し具体的な話をしている記事もありますので、それらがご参考になれば幸いです。