日傘を「目隠し」「視線避け」に使うのは有りか

猛暑の時期に欠かせない日傘。
通常は紫外線を防ぐ目的で使われるものですが
日除け以外の目的、具体的に言うと「他者の視線から逃れる」目的で差している方も結構いるのではと考えています。

視線恐怖症を経験した立場から「目隠し目的で傘を使うこと」の是非を考えたいと思います。

日傘を目隠し目的で差す人が今後増えると考える2つの理由

日傘を差している人を見ていると、結構な割合で
顔が一切見えないよう傘で視線を遮っている人
を見かけます。

全員がそうとは言いませんが、こうした方達の何割かは(程度の差こそあれ)視線恐怖症なのではないかと考えています。

日傘を目隠し目的で使っている人がどの程度なのか、その割合は増えているのか、といった点について明確な根拠となる情報は見当たりませんでしたが、個人的な感覚で言わせてもらうと今後そういった目的で日傘を利用する人は増えていくのではないかと考えています。

そう考える理由は2つあります。

理由1:個人の空間を重視する傾向が強くなっているから

その流れで、自分と関わりのない他者の視線は個人の空間を乱す煩わしいものとして扱われるようになってきています。

こうした傾向が続く限り、日傘を目隠し目的で使用したいという人の数は増えていくのではないかと考えています。

ちなみに、私は「男が日傘なんて」という価値観で育った世代なので日傘を差したことはありませんが、視線恐怖症だった頃は日傘を差す女性を見てうらやましく思っていました。
そのため傘を堂々と差せる雨の日は大好きでした。
若い男性はこうした古い価値観から逃れて自由に日傘を差すようになっていくのだと思います。

理由2:男性含め他者に見られることに敏感な人が増えているから

男性用の日傘が以前に比べて売れているという話をよく聞きます(売上が前年比2~3倍という話も!)。
出典:夏の熱ストレスに気をつけて! ~日傘を使って強い日差しから体を守ろう~

これは暑さ対策としてだけでなく、男性の中にも紫外線による肌へのダメージを防ぎたいという方が増えてきたことも要因となっているようです。
出典:メンズ日傘の「アリ・ナシ論争」が話題 “熱中症対策”で需要拡大も“男のプライド”が障壁に

「肌へのダメージを防ぎたい」
これはつまり他人によく見られたいという思いの表れです。

男女関係なく他者の目を意識する世の中になると、その分他者の目に悩む人も増えていくと思われます。

目隠し目的で日傘を差すのは有り?

本題の目隠し目的で日傘を差すのは有りなのか?について、結論から言うと
「有り。ただし頼りすぎるのは危険」
というのが私の立場です。

まず最初に、日傘自体はとても有用なものですので、これを否定する理由は全くありません。
暑さや紫外線を避ける目的においては積極的に活用すべきです。

視線を遮るという点に関しては少し注意が必要です。
というのも、日傘による視線対策は花粉症対策のマスクと同じで年中使えるものではありません。
夏が終わると日傘に頼らず外出する必要に迫られるので、日傘に頼りすぎていると外出そのものが困難になる可能性もあります。

これまでの経験からはっきりと言えるのは
苦しみの原因から逃げるだけの対策は結果的に治療においては遠回りになることがほとんど
ということです。

視線恐怖症を本気で治したいのであれば、その場しのぎの対策ではなく自分自身を深く見つめなおす機会を持ち、そこで明らかにした原因に対して手を打つことが一番大切だと考えています。

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