近年社員旅行に行きたくないという方が増えています。
とある調査では「実は迷惑な社内行事」で第1位になったとのこと。
なぜ社員旅行がここまで嫌われるのか、今後のあるべき姿について考えてみました。
実は迷惑な社内行事ランキング(外部サイト)


社員旅行に行きたくない人が増えている理由

なぜ社員旅行が嫌われるのか、理由は単純明快です。
「気を遣うのが嫌(面倒)だから」
「休日くらい自分の好きなように過ごしたい」
これに尽きるでしょう。

・家族や親しい友人ならともかく、普段仕事でしか関わらない人と2日以上行動を共にする必要がある
・食事や(場合によっては)風呂・就寝などプライベートな部分まで行動を共にする必要がある

さらに

・せっかくの休日が望まない行事のために消えてしまう
・望まない行事のためにそれなりの費用を負担しなければならない

これでは嫌われても仕方ないと思います。


誰も望んでいないのに惰性で開催される社員旅行

私も一度だけ社員旅行に遭遇した経験があります。
入社時からずっとそのような行事にお目にかかったことがなかったので”社員旅行は過去の風習”くらいに思っていたのですが、以前異動で入った部署では社員旅行があり驚いた記憶があります(もちろん即不参加にチェックを入れました)。

その時の出席者の顔ぶれを見ると
・新人、若手
・ベテラン、偉い人
が9割を占めており、中堅社員はほぼ全員不参加でした。
この偏りっぷり、社員旅行が誰にも望まれていないことを如実に物語っていると思いませんか?

つまり
新人、若手は
「(本当は行きたくないけど)不参加になることによって今後仕事がやりにくくなるのは嫌だ」
「(本当は行きたくないけど)準備要員、余興要員として強制参加で断れない・・・」

ベテラン、偉い人は
「(本当は行きたくないけど)立場上行かないとマズいよな・・・」

といった事情・心情から参加。
しがらみが比較的少なく身軽な中堅社員はほぼ全員欠席。
本当に行きたいと思っていた人はおそらく1割程度。

・・・これ、誰が得するのでしょうか。


時代に合わなくなった社員旅行

今でこそ嫌われ者の社員旅行ですが、以前はそれなりに存在する意味・意義がありました。

昔は今と違って会社にいる人と仕事以外の場でも関係を築くのはごく自然なことでした。
(お歳暮を贈ったり年賀状を交換したり、最近なくなりつつありますが、それもここ10~20年の話で以前はごく当たり前に存在していました)

旅行もその延長線上で行われていたので今ほど不自然なものではなく、親睦を深めることで仕事の生産性を上げる効果が見込めました。

しかしながら今はプライベートで会社の人と親しくする機会はどんどん減っていて、会社の人とはあくまで会社だけの関係であることが一般的になりつつあります。

団体旅行自体も90年代以降激減し、「自分が行きたい日程で」・「自分が行きたいと思う顔ぶれで」・「自分が行きたい場所に行く」個人旅行(一人~少人数での旅行)が一般的になっており、その点からも社員旅行は時代に合わなくなっているのです。


社員旅行を実施する会社は減っているものの、今でも1/3以上が実施している

実際どの程度の企業が社員旅行を行っているのか調べてみたところ、2014年の調査で余暇・レク行事を行う企業は82%。
その82%のうちの46%が社員旅行を実施しているとのこと。
つまり2014年時点でも1/3以上の企業が社員旅行を実施していることになります。

2014年 社内イベント・社員旅行等に関する調査(外部サイト)

実施が8割以上だった90年代と比べると大きく減ってはいますが、「社員旅行を今後も続ける予定」と答えた企業が今も8割近く存在することを考えると、ここからさらに減らすにはまだまだ時間がかかりそうです。


今の時代に合った形に見直しが必要

誰も望んでいない行事。
個人であれば即廃止するだけなのに、組織になるとなぜか惰性で続いてしまう。

「もう止めにしませんか」

この一言がなかなか出ません。
皆無駄だと考えているのにやめられない、日本の社会でよく見られる光景です。

とはいえ止め時がわからないからと言ってこのまま続けると社員の不満はつのるばかりです。
会社側としても本来社員の満足度を上げるための行事なのに、これが元で会社を嫌いになられては本末転倒です。
行事そのものを廃止するか、続けるにしても皆が納得する形に改める必要があると思います。

皆が不満に思っている要素を一つ一つ改善すると以下のような感じになるでしょうか。

■休日を潰したくない
 →平日の勤務時間中に業務の一環として企画する

■参加したくないイベントの費用を負担したくない
 →会社負担にする

■泊まりは嫌
 →日帰りにする

■強制参加なのが嫌
 →任意参加にする(欠席の意思表示は不要で、参加したい人だけ意思表示する形式にする)

これだったら行事の内容次第では参加する人も出てくるのではないかと思います。


最後に

従業員全員が家族のように仲が良く、より親睦を深めるために社員旅行を企画する。

社員旅行であっても、このように明確な目的があり全員が納得しているのであれば何の問題もありません。
きっと素晴らしい旅行になるでしょう。

しかし慣習として続けられている社員旅行のほとんどは、もはや誰も参加したくない意味のない(むしろマイナス影響のある)行事になっている、これが実態ではないでしょうか。

今は求人票に「社員旅行あり」と書かれていることがマイナス評価につながる時代です。
経営者の方々にはぜひこのことを理解し、本来の目的である「社員満足度の向上」に向けて何をすべきか、今の時代に合った在り方を考えてほしいものです(「内容を見直す」だけでなく「廃止する」も立派な選択肢の一つです)。

社員旅行に不満を持っている人も黙って従うのではなく、声をあげることが大切です。
実はみんな止めたがっていて、あなたの一声を待っている状態かもしれません。


■「そもそも会社に行くこと自体が辛い」という方のために

社員旅行に限らず「出社そのものが嫌で仕方ない」「人と接することが全般的に苦痛」という方、もし興味があればこちらもご覧ください。
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