在宅勤務・テレワークが可能な企業・求人(正社員)の効率的な探し方


近年「ワークライフバランス」「在宅勤務」「テレワーク」といった言葉を耳にする機会が増えました。
しかしいざ正社員で在宅勤務前提の求人を探すとなると数が少なく難しいのが実態です。
今回はそんな中でも効率的に”確実に在宅勤務できる求人”を探す方法についてお話ししたいと思います。

在宅勤務・テレワークの普及はあまり進んでいない?

在宅勤務に関して大企業が制度を導入したことがニュースになるなど世間の注目度も上がっています。
私自身、対人恐怖症・視線恐怖症で苦しんでいた時期に在宅勤務制度を利用できていたらどれだけ楽だっただろうとよく思います。

しかし世間の注目度とは反対に在宅勤務の普及はなかなか進んでいないのが実態で、求人を探すのも難しい状況です。

在宅勤務・テレワークを導入する企業は増えつつあるが、利用者は少ないのが実態

まず最初に在宅勤務・テレワークの現状について確認しておきましょう。

総務省の発表によると、テレワークを導入している企業の割合は2015年末で16.2%(※)と、導入している企業はまだまだ少ないのが現状です。
(出典)総務省「平成27年通信利用動向調査」

また、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数は2014年時点で全労働者数の3.9%(※)とこちらもかなり少ないです(しかも前年比減・・!)。
(出典)国土交通省「平成26年度 テレワーク人口実態調査」

これらの情報からわかるのは
・在宅勤務制度を利用できる企業はまだまだ少ない
・制度を導入している企業の中でも、実際に制度を利用している人は少ない

という実態です(2点目に関しては私の勤務先もそうでした)。

在宅勤務・テレワークの導入・普及が進まない理由

職種にもよりますが、事務所内でPCを触るのがメインの仕事であれば在宅勤務は工夫次第で絶対できるはずです(週1,2日であればなおさら)。

それでも在宅勤務制度の導入・利用が広がらない理由として考えられるのはだいたい以下のような感じかと思います。

・(A)導入コストがかかる。制度の見直しが必要

・(B)技術的に不可能だと思い込んでいる人がまだまだ多い

・(C)けがや病気・育児・介護が原因で出勤が困難な社員が利用するものだ、という固定観念がある

・(D)「人事評価基準=苦労して働いた時間数」である企業が今でも多く、在宅勤務者は不利になる

・(E)「在宅勤務を選択する人間は甘えている」「自分たちは苦労してきたのに」という意識が管理職層に根強くある

・(F)在宅勤務を選択する人がごく少数であるため、少数派になることを恐れる人達は手を上げにくい

まず(A),(B)に関しては、ある程度時間はかかるものの少しずつ良い方向に意識が変わっていくのではないかと思っています。

(A)費用に関しては
在宅勤務制度の導入費用 > 都市部の高額な賃料、交通費、(場合によっては社員食堂等の福利厚生費用)
ということに気づく人が徐々に増えていくでしょうし

(B)技術的な問題についても、紙を全く使わなくなり、コミュニケーションツール(slack,skype,多人数対応のWeb会議システム等)が充実している今、何が足りていないのかわかりません。
「あれ?やろうと思ったらできるんじゃないの?」と気づく人が年々増えていくのは間違いないでしょう。

問題は(C)~(F)です。

辛い思いをして出勤して長時間働いた人が偉い。それを嫌がるのは怠け者だ。

信じられないことに今でもこういった考え方が広く支持を得ています(ようやく最近表立っては言われなくなりましたが)。

これらの考え方や行動傾向は労働者全体(特に上の世代)に深く根差しているので、会社という枠にとどまらず社会全体の風潮が変わらないといつまで経っても解決されない気がします。

こういった土壌が
制度としては導入されていても、実際にはほとんど利用されていない会社が多数
という状況を生んでいるのだと思います。

確実に在宅勤務・テレワークできる求人の探し方


こうした状況を見ると、在宅勤務が労働者にとって当たり前の選択肢になる時代はまだまだ先になりそうです。
価値観の世代交代を気長に待つのが辛い方は確実に在宅勤務できる企業への転職を検討する方がよいでしょう。

大手サイトはノイズが多く使いづらい

いざ転職先を探す、となったときに最初に思いつくのは大手の求職サイトと思います。
最近は「在宅」「在宅勤務」といったキーワードで絞り込むことができるようになっているため一見探しやすそうにも見えます。

しかしこうして抽出した企業の大半は
・希望する方は要相談
・制度として導入しています
といった”実際には制度利用しづらい会社”であるため、目的の企業にたどり着くのが困難になってしまいます。

確実に在宅勤務制度を利用できる。または在宅勤務が前提となっている会社から求人を探したい場合、どうすれば効率よく情報を集められるのでしょうか。
以下、私がお勧めする方法を4つ挙げてみました。

※大手求職サイトも求人数が多いこと自体はとても魅力的なので、優先度低の選択肢として残しておいた方がよいでしょう。
※今回はWeb上で能動的に探すことに焦点を絞っているので、斡旋型の求人サイトを利用する(転職エージェントに希望を伝えて探してもらう)等の手段は省いています。

1:働きやすさ重視の求人サイトから探す

規模が小さいためあまり知られていませんが、在宅勤務や週4日勤務など「働きやすさ」を重視した求人をメインに扱う業者もあります。
こうした業者経由で求人を探すと、無駄な確認作業がないため効率よく希望の仕事を探すことができます。

Reworker
エンジニアが多い印象ですが、それ以外の職種も探せばちゃんとあります。

PARAFT
求人の割合についてはReworkerと似たような傾向です。

テレまち
会員登録しないと求人詳細が一切わからないのが難点ですね。

ママの求人
時給制の求人が多いですが、正社員の求人もあります。

大手企業でなくてもいい。
自由な働き方をしたい!
という方にはこちらが最適かと思います。

2:社員の口コミサイトを参考にする

行きたい業種や企業がある程度定まっている方はこちらがお勧めです。

社員の口コミ掲載サイトで目的の企業について調べると、在宅勤務制度がどの程度運用されているのか、本当のところがよくわかります(自分の勤め先について見てみましたが概ね実態に近い内容でした)。

VOKERS

カイシャの評判

どちらのサイトも「ワークライフバランス」の項目がありますので、そこから調べると早いです。

3:働き方改革の推進・支援をしている企業の求人を探す

灯台下暗し
意外と盲点だった方もいるのではないでしょうか。

在宅勤務・テレワークをするためには周囲の理解が欠かせません。
その点でこれらの企業は安心です。
働き方改革を推進している企業が実はブラック企業だった、なんてことはさすがにないでしょう。

株式会社ワークライフバランス

例は1つしか挙げていませんが、他にもいろいろあります。
3,4は”効率的な探し方”からは離れてしまいますが、興味がある方は探してみてください。

4:テレワークの機器販売や導入支援をしている企業の事例から探す

少し手間は増えますが、Web会議システムの導入を支援している会社等のウェブサイトを参照するのも1つの方法として考えられます。
こうしたサイトは自社の実績を外に向けてアピールしていることが多いですから、そこを通じてどの企業がどの程度の熱量で在宅勤務制度の導入・普及に取り組んでいるか知ることができます。

直接在宅勤務制度につながる案件はまだまだ少ないため、今はまだ非効率な探し方かもしれませんが、今後テレワークが普及するにつれて以下のような導入事例も増えていくものと考えています。

V-CUBE 導入事例

VTVジャパン 在宅勤務利用事例

番外:勤務先で在宅勤務の利用申請をしてみる

上で「転職した方がいい」と述べたのと矛盾しているため番外としました。

あなたが在宅勤務・テレワーク制度を導入している企業に勤めていて、かつ通勤事情や職場の物理的な環境以外に不満がない場合は勤務先に相談してみるのも手段の1つです。
転職は環境が悪化するリスクもありますので、雰囲気も職務内容も知り尽くしている自社で働き続けられるのであればそれに越したことはありません。

「うちの会社で制度を利用している人なんてごく少数(いない)なんだけど・・・」
という方がほとんどでしょうが、正当な理由があれば認めてもらえる可能性は十分あるでしょう。

「単に出勤が嫌」「職場が苦痛」
といった理由ではまず認められないと思いますので
・育児
・親の介護
・家庭の事情により遠方に転居せざるを得ない
といった会社側が断りにくい理由を用意して(ない場合は作って)挑むと良いでしょう。

出世は難しくなるでしょうが(これがそもそもおかしいのですが)、ここを見ている方はそんなこと気にしていない方が大半と思います。
一度勇気を出して試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
在宅勤務制度は「楽をしたいだけ」といった偏見を持たれがちですが、実際に本格的な運用を始めた企業では「生産性が上がる」「労働時間が下がる」「幸福度が上がる」といった良い結果が出ているところが多いです。
「働き方改革」最前線 Vol.1 ユニリーバ・ジャパン流 働き方改革

近いうちに在宅勤務制度が当たり前の選択肢となる世の中になり、当記事が時代遅れになることを願ってやみません。

コメント