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脇見恐怖症は即効性のある対策がないため視線恐怖症の中でも最も治療が難しい症状の1つです。
私自身、治療を進める中で特に苦しんだのが脇見恐怖症の克服でした。

これまで脇見恐怖症について個別に取り上げたことがなかったので、今回治療に関する情報を整理してみました。

目次

【そもそも脇見恐怖症とは?】
 ・症状は?
 ・原因は?
 ・どうやって治す?対策は?

【治療を始める前に知っておくべきこと4つ】
 ・あなたの視界は他の人と同じ。特別ではありません
 ・「顔の位置取りが悪い」は誤り
 ・自分だけ他人に特殊な信号を送っているのではないか
   →これも誤り。意識されて嫌なのは誰でも同じ

 ・治療の成果が出るのはずっと後。あきらめずに継続することが大切

【まとめ】



そもそも脇見恐怖症とは?

脇見恐怖症とは何か、改めて確認してみましょう。

wikipediaでは以下のように紹介されています。

脇見恐怖症
視界に人が入ってくるだけで、その人に対して何かしらの信号のようなものを送っていると考える症状である。
(wikipedia内『視線恐怖症』より引用)

当事者の方はこの一文でよくわかると思いますが、念のため補足すると、隣に人がいる状況下において以下の症状が出る方が脇見恐怖症です。

・隣の人に見られている気がして落ち着かない。異常なまでに緊張してしまう
・隣の人が気になってしまい、見てはいけないと思っているのに隣を見てしまう(意識してしまう)
・隣の人が自分の視界に入ることが原因でその人を不快にさせている、と考えてしまう
・隣の人を見ないようにしているのに隣の人に拒絶されている(見ていないのに見ていると思われている)、と考えてしまう

【具体例】
・自由に着席して良い場面になると皆あなたと隣同士になることを避け、結果左右の席が空く
・学校・職場で隣り合って座っていると(あなたが視界に入らないよう)目隠しされる、または席を立たれる
・電車を待っていたら隣に人が来たが、すぐにその場から離れて別の人の隣に移動した
・図書館で本を読んでいたら右隣に誰かが座った。隣が気になったが拒絶されたらと思うと怖くなり、結局1時間右側を見ることができなかった



症状は?

相手が実際に意図したかどうかに関係なく、他人の”自分(あなた)の視界から離れる行動”の全てが自分を拒絶する行為と思い込むようになり、上記のようなちょっとしたことでもひどく落ち込んだり憤りを感じるようになります。

この状態が日常茶飯事になると、他者に拒絶され続ける自分(本当に拒絶されているわけではないことがほとんど)に嫌悪感を抱いたり、なぜ自分だけと思い悩んだりするようになり、次第に他者と関わり合うことそのものに恐怖を感じるようになります。

さらに症状が進行すると、他者と接することを徹底的に避けたり、自信を失い無気力になったり、自分を避ける人に怒りを向けたりするようになるなど、社会生活を営むことが困難になっていきます。



原因は?

まず隣の人(近くにいる人)が不快感を抱く原因は、
脇見恐怖症患者が極度に隣の人を意識し、視線や意識を向けてしまう
ことにあります。

隣の人が原因ではありません。
あなたが最初に意識していることがこの問題の始まりであることを理解してください。



どうやって治す?対策は?

他人をどうにかするのではなく、あなた自身が変わる必要があります。
なぜ他人を過剰に意識してしまうのか、自分自身を徹底的に見直すことで原因を把握し、そこに対策を打つことが治療につながります。
脇見恐怖症は一時しのぎの対策が効きづらいため特にこの傾向が顕著です。

※根本的な治療につながらないので積極的にお勧めするものではありませんが、以下、本当につらい方向けに「視線恐怖症が今すぐ楽になる対策」を紹介しています。
「視線恐怖症が少し楽になる5つの対策」



治療を始める前に知っておくべきこと4つ

冒頭で述べた通り、脇見恐怖症は視線恐怖症の中でも最も治療が難しい症状の1つです。

・学校で授業を受けるとき
・職場で座席に座って作業をするとき
などが症状のあらわれる典型的な例ですが、これらはいずれも”1日のうちかなりの時間を占めるもの”です。

それゆえに(視界を完全に塞ぐ、などを除き)その場しのぎの対策ではどうにもならないことが多いです。
「他は大丈夫。でも脇見だけはどうしてもダメ」という方が多いのもこれが原因です。

当然治療にも時間がかかり、根気強さが求められます。

「治したい」という気持ちがあっても、治療の方向性を間違えるとせっかくの努力が無駄になってしまいます。

そこで治療を確実に進めるために絶対に理解しておいてほしいことを4つお伝えします。



あなたの視界は他の人と同じ。特別ではありません

「もしかしたら自分の目に見えている範囲は他の人と違っているのかもしれない」
「物の見え方がおかしいのかもしれない」

脇見恐怖症に悩まされていると、ついこんな風に考えてしまいがちですが、これは明確に違います(もちろん個人差は多少あるでしょうが)。

このような悩みを抱えたときは、「こうに違いない」という思い込みから離れて客観的な事実を確認することが効果的です。

人間の視野がどの程度か調べてみましょう。
両目で左右180~200度という結果が出てきます。
人間の視野(wikipedia)

つまり真横にあるものは誰でも見えているということがわかります。

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出典:http://www.honda.co.jp/



「顔の位置取りが悪い」は誤り

「他人が視界に入らないようにすればこの苦しみはなくなるはず」
「他の人は他人が視界に入らない位置取りを知っているに違いない」

学校・職場の座席に座るとき、上記のように考えて”理想の位置取り”を探そうとしていませんか?

先ほどの視野の話からわかるように、日常生活において他人を視界に入れずに過ごすのはほぼ不可能です。
もちろん理想の位置取り(または視界を遮る手段)があればそれに越したことはありませんが、実際にはどうにもならない場面がほとんどです。

他の人も座席に座れば普通に他人が視界に入ります。
その条件はあなたと何ら変わるものではありません。

視界に入っても平気なのはなぜか。
視界に入っても平気でいられるためにはどうすればいいのか。

その掘り下げに時間を費やすことが完治への近道です。



自分だけ他人に特殊な信号を送っているのではないか
→これも誤り。意識されて嫌なのは誰でも同じ

あなたが周囲に特殊な信号を送っているかどうかは確認のしようがありませんが、確かなのはあなただけが特別な存在ではないということです。

人間も(ときに忘れられがちですが)動物であることに変わりありません。
自分自身を守るため、他者(外敵)の存在にはとりわけ敏感です。
誰かから意識を向けられれば大抵は気づくものですし、それに対して何らかの反応をするのはごく自然なことです(そうでなければ進化の過程で絶滅していたはずです)。

「意識しないようにしているのに・・・」
という方もいると思いますが、意識しないようにしている時点で相手を強く意識していることに気づいてください(この話何度もしていますが大切なことなのであえてここでも載せています)。

あなたが他者を過剰に意識しているのが問題なだけで、そこを改めればすぐにでも普通の人と同じ状態に戻ることができます。

あなたは(良くも悪くも)特別な人間ではありません。
正しく原因を知り、適切に対処すれば脇見恐怖症は必ず治ります。



治療の成果が出るのはずっと後。あきらめずに継続することが大切

繰り返しになりますが、脇見恐怖症は小手先の対策が効きづらく治療難度がとても高いです。
完治するのは治療の終盤で、症状が軽くなる度合い(成果のあらわれ方)も他に比べるとゆるやかなので、視線恐怖症の症状が軽くなってきたと思っても脇見恐怖だけは変わらず辛かったりします。

ここで
「やはり治らないのか・・・」
「一生付き合っていくしかないのか・・・」
などと考えず、あきらめずに治療を続けることが大切です。

脇見恐怖以外の症状が軽くなっているのであれば、治療自体は確実に前に進んでいると考えて間違いありません。
これまでの成果に自信を持ってください。

治療の方向性さえ間違えなければ時間はかかっても必ず治る日は来ます。



まとめ

いかがでしたでしょうか。

・”自分だけがおかしい”という思い込みから離れて事実を確認する
・他者を過剰に意識していることが問題であることを理解する
・小手先の対策に走らず、自分自身の中にある原因を探りそこに手を打つことに注力する
・成果があらわれなくてもあきらめずに治療を続ける

これを忘れずに治療を継続すれば必ず報われる時がきます。
逃げ出したい気持ちをぐっとこらえて1日1日頑張ってみてください。


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