20160813_02

ポケモンGOでうつ病が治る!?

先月はポケモンGOの話題だらけでした。
アプリ配信後世界中で話題になったので、未プレイの方も何かしらの媒体で目にしたかと思います。

そのポケモンGOですが、思わぬ形でちょっとした話題になったことをご存知でしょうか。

プレイした人の中から
「ポケモンGOのおかげでうつ病が改善した」
「自閉症の息子が外出するようになった」
といった声が多数あがったのです。

・ポケモンGOで全米大騒ぎ でも、こんな勇気をもらった人も(外部サイト)
・「ポケモンGO現象」がさらに拡大:鬱が改善との声多数(外部サイト)

全世界でダウンロードした人が多数いたことを考えると、これをきっかけにうつ病患者は減っていくのでしょうか?
来月以降患者数が劇的に減ったという統計が出てきたら驚きですが、残念ながら私はそうはならないと考えています。
ポケモンGOのブームと同じく一過性のものにとどまるでしょう。

以下、そう考えた理由を3つあげてみました。


1.社会現象になってできた独特な空気は長く続かない

ポケモンGO配信後、世の中全体がポケモンGOの話題であふれました。
そして外にはポケモンを探して歩き回る人が続出しました。

その結果いつもの日常と違い、他者にとても寛容な独特の空気が作り出されました。
・周囲にいる人たちが共通の目的を持った仲間であるように感じられる
・たとえ見知らぬ人であってもすぐに共通の話題で会話ができる
(サッカーワールドカップの日本戦後、見知らぬ人同士が街中でハイタッチする光景に似ていますね)

外出するのが怖い人の心理の一つに
「自分はここに居ていいのだろうか」
「場違いではないだろうか」
という思いがあります。

今回のようにみんなが同じ目的で外出するような状況において、その不安はかなり軽減されます。
「外にいる人のほとんどがポケモンGOをしている。自分がその輪の中に入っても何ら不自然ではない。きっと受け容れられるだろう」
という安心感があります。

さらに、みんなが同じ前提を共有できている状況では
出会う⇒顔色をうかがう⇒あいさつする⇒お互いのことを紹介する⇒気が合うと思ったらようやく少しずつ話を始める・・・
といった(不安を感じさせる)過程が一切必要ありません。

こういった要因が彼らを外出させる後押しをしたと思われます。

しかしどんなブームもそうであるように、ポケモンGOブームもいずれ落ち着くときがきます(今時点ですでに落ち着き始めている気もします)。
そうなっても彼らは今と同じように外出できるでしょうか。


2.一時的に《好奇心》が《不安》を覆い隠しているだけ

ポケモンGOに夢中になっている人が外出できる理由としてもう一つあげられるのが、新しいものへの強い好奇心です。
「好奇心」「高揚感」といった感情が一時的に強まり、「人と接することへの不安」を上回ったことで外出可能になったと考えられます。

これがずっと続けばいいのですが、そうはいきません。
どんなに素晴らしいゲームでも飽きるときは必ずきます。
「好奇心」「高揚感」が弱まりそのバランスが崩れたとき、また不安と向き合わなければならなくなります。
そのたびに新たに夢中になれるものを探さなければならないのでは意味がありません。

自分自身の不安と向き合う取り組みをせずして根治はありえないというのが私の考えです。


3.本当に外出できない重症の人には効果なし

そもそも効果があるのか、という点についても考えてみました。
私は以前重度の視線恐怖症でしたが、もしそのときポケモンGOが配信されていたら外出したでしょうか。
答えはノーです。
無理なものは無理です。

心の底から参っている人は、生きていくうえでどうしても必要なとき以外は外に出ない(出られない)ものです。
それくらい精神的に追い詰められているのです。

今回「治った」「改善した」と言っている人は軽症の方か、ポケモンに並々ならぬ思い入れのある方くらいではと思っています。


ポケモンGOが画期的で素晴らしいアプリであることに変わりはない

ここまでいろいろと言いましたが、ポケモンGO自体はとても素晴らしいものだと思います。
一時的にせよ人々に外出するきっかけを与え、世の中を明るくしたコンテンツであることは疑いようがありません。

・ポケモンGO、ノルウェーでも社会現象 シャイな国民性に変化、議員が国会で「遊び」議論(外部サイト)

外に出て日光を浴びて体を動かす
そして時に見知らぬ他人と話して刺激を受ける

うつ病をはじめとした精神疾患の治療にこれらの行動が有効であることは間違いありません。

ポケモンGOをきっかけに外出できるようになった方にはブームが落ち着いた後も引き続きその習慣を維持してほしいと思っています。

スポンサードリンク