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ここ数年でマスク着用率が急増している気がします。
感染防止という本来の目的以外ではなく「顔を隠したい」という理由でマスクを着用する心理について対人恐怖症・視線恐怖症との関係から考えてみました。


近年マスク着用率が急上昇している?

ここ数年マスクを着用する人の割合がどんどん増えている気がします(特に若い人に)。
私に限らずそう感じている方、結構いると思います。
年々増加傾向にある「マスク族」「風邪でマスクなし」は今やマナー違反!?(外部サイト)

風邪やインフルエンザをうつさないように(≒他人に迷惑をかけないように)という意識が年々高まっていることも関係していると思いますが、

・顔にコンプレックスがあり隠したい
・他人の視線から逃れたい
こういった理由から、本来の目的以外で着用している人が多いのが実情かと思います(これを「伊達マスク」と呼びます)。

実際に伊達マスク経験者を対象にした調査も行われており、

「スッピンでも気にしなくていいから」(51.7%)も僅差で2位で、3位の「顔が隠れることにより、安心感があるから」(30.2%)と合わせると、大多数が「顔を隠せる」ことを理由に挙げていることがわかった。
“伊達マスク”着用理由1位は「顔が隠せる」ではない!意外な1位とは?(外部サイト)

多くの人が顔を隠すことを目的としてマスクを着用していることがわかります。
(上記調査で1位は「あたたかいから(51.8%)」となっていましたが、これは方便だと思っています。
理由を聞かれて「顔が隠せて安心だから」と正直に答えない人もいるでしょうから。)


顔を隠すことでなぜ安心できるのか。伊達マスク着用者の心理

私は伊達マスクはしませんが、自分が以前視線恐怖症だった経験から
「顔を隠すことで安心できる」
という気持ちは理解できます。

・「自分」という看板を掲げずに「何者でもない存在」として振る舞うことができる安心感 (自分が他者から評価される存在でなくなることへの安心感)
といった感じでしょうか。

特に女性は自身の容姿に対する他者からの評価に敏感ですので、よりこの安心感を求める傾向があるようです。

こうした他人の目を異常なまでに気にする心理は対人恐怖症・視線恐怖症に通ずるものがあると感じており、
伊達マスクをしている方が全員そうだとは思っていませんが、いずれなる可能性のある予備群に属する方たちが多いのではないかと考えています。


マスクを日常的に着用するのは日本人だけ?

日本にいるとこの光景に違和感を覚えることはあまりないのですが、実はこれはほとんど日本だけにみられる光景です。
海外ではマスクをして外出する人などほとんどいないのが実情で、マスクをしている人を見ると
「この人は深刻な感染症にでもかかっているのか?」
と思われるみたいです。
海外ではとっても不思議がられる日本のマスク着用率 (外部サイト)

・他者の視線を過剰に意識しながら生きている日本人
・自分の意思を尊重し自由に生きている海外の人

生きている環境に大きな違いはないはずなのに、こうも差が出てしまうのはとても興味深いです。
実名登録を原則としているfacebookの普及率が日本だけ低かったりするのもこのあたりが関係しているのかもしれません。

ちなみに対人恐怖症・視線恐怖症患者が他国と比べて突出して多いのも日本特有の傾向です。
>視線恐怖症とは?(※ページ中段あたりを参照)
>イタリア人は視線恐怖症にならない?


伊達マスクは対人恐怖症(社会不安障害)・視線恐怖症の治療に役立つのか

マスクをして顔を隠す、という行為は対人恐怖症・視線恐怖症の根本的な治療には一切つながりません。
これまでのコラムでお伝えしてきた通り、むしろ治療の妨げになる可能性のほうが高いです。
>視線恐怖症が少し楽になる5つの対策

着用する場合は、あくまで重篤な状態から脱するための一時的な対策として活用してください。
マスクに頼りすぎるとマスクなしで他人と接することができない状態(マスク依存症)になりかねません。
一度マスクが手放せなくなってしまうと元に戻るのはなかなか難しいです。
※もちろん風邪をひいた(ひきそう)、など本来の目的で使用する分には全く問題ありません。

マスクやサングラスではなく、自分自身をよりどころに生きていきたいものです。

■参考
>対人恐怖症・視線恐怖症治療プログラムのご紹介


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