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視線恐怖症・対人恐怖症(社会不安障害)の人にとって仕事選びは深刻な問題です。

就職
→脇見恐怖症が原因でデスクワークが苦痛に。周囲になじめず浮いてしまう
→やむなく退職
→何かしら働いて収入を得ないと生きていけないから再就職
→やはりうまくいかず退職

こんな感じで転職を繰り返している方も多いのではないでしょうか。

私も視線恐怖症だった頃は、あまりの苦しさに
「年収が半分になってもいいから人と関わらなくてすむ仕事がしたい」
と日々考えていました。
(結局やめずにすみましたが当時は本当に毎日辛かった・・・)

良い仕事・職場にめぐり合えたからといって視線恐怖症が治るわけではありませんが、日々精神的に落ち着いていられるということは治療にあたってとても重要なことです。

今回はどのようにして良い仕事・職場を見つければよいか、私の考えをまとめてみました。


目次

【人と関わらない仕事は経済的に厳しいもの、現実的でないものばかり】
 ・チラシのポスティング
 ・在宅ワーク・SOHO
 ・Webサイト運営
 ・作家・デザイナー・芸術家
 ・駐車場・公園等の管理人、清掃スタッフ
 ・工場勤務
 ・コールセンター
 ・トラックの運転手
 ・ここまでの結論

【働いている人の多くがデスクワーク。ここを除外すると選択肢が一気に狭くなる】
 ・デスクワークでもストレスの元がなけば心地よく働ける
 ・快適に働ける職場レイアウトって?

【私の妻はいかにして理想の職場を見つけたか】

【働きやすい会社・職場の見分け方】
 ・×旧態依然の業界
 ・×建物が古い
 ・×激務薄給の業界
 ・×システム開発
 ・×社長が有名人(CMでよく見る)
 ・〇幅広い年代の社員が働いている
 ・〇調査・分析・レポート作成系の職種
 ・〇従業員数が少ない会社
 ・〇海外資本の企業(外資系)

【まとめ】
 視線恐怖症を根本的に治したい方へ



人と関わらない仕事は経済的に厳しいもの、現実的でないものばかり

いきなり夢を砕くような見出しで申し訳ないのですが、いわゆる人と関わらずにできる仕事としてよく例にあげられるものは単独では経済的に厳しいものばかりです。



チラシのポスティング

1件あたりの単価が3~5円。
月収は多くても3~4万円程度。
ポスティングアルバイトの勤務時間、報酬、辛い点のまとめ【体験談】(外部サイト)

やるにしても他の仕事を兼ねないと経済的に厳しいです。
ひきこもりから脱するための第一歩としては良いかもしれません。



在宅ワーク・SOHO

翻訳・文字起こし・内職・・・
色々ありますが単価はとても安いです。
内職っていくらぐらい稼げるの?内職詐欺は大丈夫? (外部サイト)

仕事を提供する側も「安く買い叩ける」ことにメリットを感じて発注しているでしょうから、よほど高スキルの方でないと経済的に厳しいと思います。
詐欺っぽい会社が多いのも難点で、いろいろとリスクが高そうです。

厚生労働省の統計資料を見ると、在宅ワーカーのうち月収20万円以上の方が1/3程度いますが、同サイトの別統計を見ると、仕事を見つける方法の分布が

・自分で発注者とやりとりをして仕事を獲得している(※):75.9%
・クラウドソーシング(マッチングサイト)を通して:13.7%

となっており、報酬の高い仕事は「以前の勤め先」「知人」に集中していると考えるのが妥当でしょう。
データでわかる在宅ワーク「在宅ワーカー編」(外部サイト)

スキルがある。または以前の職場や知人にコネがある。
という方でなければ副収入レベルからの脱却は厳しいでしょう。

※過去の調査結果では仕事の獲得方法がより詳細に公表されていました。リンク先が閲覧できなくなってしまったので参考までに数値だけ記載しておきます。
・以前の勤め先:26.4%
・知人:27.8%
・公募:16.4%

これを見てもコネがないと厳しい世界であることがわかります。



Webサイト運営

ウェブサイトを作ってそこから広告・アフィリエイト収益を得る方法です。
たった〇ヶ月で月収〇〇万円達成!
といった宣伝をよく見ますが、これは成功した一握りの人たちを紹介しているにすぎません。
実際のところは、ほとんどの人たちが月収1000円すら達成できておらず、
月収3万円を超える人は2.4%にすぎません。
アフィリエイト市場調査2013を発表&共有させて頂きました(外部サイト)

これが実情です。
世の中を変えるようなアイデアを持っていたり、高いスキルを持っていないかぎりお小遣い程度の収入しか得られないと思います。



作家・デザイナー・芸術家

まず一握りの売れる人にならない限り食べていけません。
仮に売れる人になれたとしても人付き合いは避けられないでしょう。

芸術家というと
「山にこもって隠遁生活。人と会うのは担当の人と会うときだけ」
といったイメージを持っている方もいると思いますが、実際はコネ・人脈が物を言う世界です。
並外れた才能がない限りは、認知してもらい、気に入ってもらってようやくスタートラインに立つことができる、そういう職業です。



駐車場・公園等の管理人、清掃スタッフ

時給1000円程度。
アルバイトとしてであれば十分ですが、数十年続けていける仕事とはいえないでしょう。
常に一人で仕事できるわけではなく、内容によってはチームワークが求められることもあります。

またこれらの職は高齢者の再雇用の場として活用されることが多いので、若い方だと就職は難しいかもしれません。



工場勤務

年収は会社や立場により大きく違いますが、作業員として働く場合は総じて報酬は低めです。
ただそれでも生きていくには十分な額はもらえると思います。

配置場所によっては他人と並んで作業したりすることも多いので運任せな面があります。

またこの種の職は今後ますます国外移転、自動化が進み求人自体が少なくなっていくと思われます。



コールセンター

平均年収270万円程度。低めではありますが生きていくには十分な水準です。
コールセンターの年収・月収データ(外部サイト)

衝立(ついたて)で仕切られていることも多く、脇見恐怖症の方にとっては好条件なのですが業務内容に難ありです。
・常にお客様と接する必要がある
・ノルマが厳しい
・立場上、脅迫的な態度、理不尽な要求にも丁寧に応接する必要があり精神的負担が大きい
・使い捨ての面があり、色々な面で待遇が悪いことが多い

少なくとも私は長期間続けられる自信はないです。



トラックの運転手

平均年収420万円程度。ここまで紹介した中ではかなり良い待遇です。
大型トラック運転手の平均年収(外部サイト)

一人で運転している時間が大半なので人付き合いの面では楽なのですが、長時間労働、深夜労働は日常的にありますし運転中は常に事故のリスクがあります。
ノルマもあるでしょうから肉体だけでなく精神的にもハードな仕事ではないかと思います。
それでも車の運転が好きだ、という方にはお勧めかもしれません。



ここまでの結論

いかがでしょうか。
実態はなかなか厳しいですね。

中にはトラックの運転手のように、条件さえ合えば十分食べていける職もありますが、やはりそういった仕事はなかなか少ないようです。
(少なくとも色々調べていて「これだ!」と思うものはありませんでした)



働いている人の多くがデスクワーク。ここを除外すると選択肢が一気に狭くなる

ここまで
人と関わらずにできる仕事は現実的でないものが多い
という話をしてきました。

世の中で働く人の多くがデスクワークに従事していることを考えると、
デスクワークをばっさりと候補から切り落とすのは就職・転職先の選択肢を大きく狭めることになります。

「いかにしてデスクワークから逃れるか」
というよりは
「いかにして良い職場を見つけるか」
を考えるのが現実的かつ建設的と思います。



デスクワークでもストレスの元がなけば心地よく働ける

視線恐怖症・対人恐怖症(社会不安障害)の方がデスクワークを嫌う理由は何でしょうか。
色々あるでしょうが、集約すると以下の2点にまとめられると考えています。

・他人が視界に入るのが嫌
・同僚とその場限りでない関係を築く必要がある



そしてこれらを解消するためにどうすればいいか。
これも単純です。

・他人が視界に入らないレイアウトであること
・過度にプライベートに入り込まない距離感の職場であること

これを満たす職場を選ぶだけです。
きわめてシンプルです。



快適に働ける職場レイアウトって?

「他人が視界に入らないレイアウトってどんなの?」
という方もいるでしょうから、一目でわかるサンプルを用意しました。

(A)旧来型(詰め込み型)レイアウト
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※左右が気になる、斜め向いの人も視界に入る。これがノートPCだったら正面の人も加わりさらなる地獄です・・・



(B)働きやすいレイアウト
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※作業中は誰も視界に入らず、会話したいときは顔の位置をずらすだけでコミュニケーションが取れる。

あなたはどちらで働きたいと思いましたか?
聞くまでもなく(B)ですよね。

※(A)を嫌だと思うのは日本に限らずのようで、視界を遮ることで仕事の生産性が10~15%アップしたという報告もあるようです。
仕事に集中できない? 視覚的ノイズも原因(外部サイト)



私の妻はいかにして理想の職場を見つけたか

私の妻はごく普通の一般人ですが、仕事中他人が視界に入るのは
「すごく嫌」
だそうで、気になる度合いは違うものの、基本的なところは視線恐怖症の人と何ら変わるものではありません。

現在は転職して、先ほどの(B)のようなパーティションで区切られた半個室式の空間でのびのび仕事をしているみたいです。
昼食もみんなバラバラで社員同士過度に干渉しないが仲は良い。
何ともうらやましい職場です。

ではどうやって理想の職場を手に入れたのか、興味があって聞いてみました。

---以下、妻と私のやりとり---
私「今の職場がいい環境だってどうやって知ったの?」

妻「普通に面接のときに聞くだけだよ。
残業時間とか職場の雰囲気とか集中できる環境か、とか。
あと事前にエージェント(※)にどんな職場が希望かはっきりと伝えておくことも大事だね。
希望に合いそうなところをちゃんと探してくれるよ。」
※転職サイトの担当者のこと

私「そうなんだ。残業時間とか環境とか直に聞いちゃっても大丈夫なの?」

妻「全然大丈夫。望んでない人に来られてもお互い不幸になるだけだし希望ははっきりと伝えるべき(※)。
長い間お世話になるんだから譲れないところは妥協しないほうがいいよ。
私は収入は下がってもいいから働きやすいところがいいって最初からずっと言ってたから。」

※新卒で就活をしている場合はこういった質問はしづらいと思います。
 OB訪問、職場見学を最大限活用しましょう。

---やり取りここまで---

結論としては
・事前に確認する
これが一番大切なようです。

特に規模の小さな会社の場合は
面接場所=職場
である可能性が高いので、聞かずともその場でレイアウト等を確認できるかもしれません。



働きやすい会社・職場の見分け方

面接以外でも会社・職場の雰囲気はある程度判断することができます。
ここからはその判断の目安について紹介していきます。

※ここから述べる判断基準は私の主観によるものです。
例外もたくさんあると思いますので参考程度に受け止めていただければと思います。



×旧態依然の業界

役所・銀行などいわゆるお堅い(世間から「安定している」と思われている)業種は
「先例に従うのが正しいやり方」
という考え方が比較的強く、先進的な考え方を持ち込むのがとても遅い傾向にあります。

こういった職場では
「人をいかに効率よく詰め込むか」
という昔からの考えから抜け出せていないところが多いので要注意です(もちろん例外もあります)。

個人的な意見ではありますが、人をたくさん入れて職場面積を減らせば賃貸料などの固定費が減るので一見合理的ですが、狭い場所に多くの人を詰め込むのは従業員のストレス元となり結果的には会社にとって損失でしかないような気がします。



×建物が古い

古い建物は従来の詰め込み型レイアウトを想定したつくりになっているため、自然と旧来型のレイアウトをとりがちです。



×激務薄給の業界

こういう業界は少しでも利益を上げるために人件費を削れるだけ削ろうとします。
そのため職場は詰め込み型レイアウトが多いです。



×システム開発

黙々とPCに向かうだけで人と関わらない
というイメージを持っている方がいるかもしれませんが、実態は真逆です。
システム発注者との調整、内部の調整を頻繁に行う必要があり、実際は打合せだらけです。
また上記「激務薄給の業界」の典型であるためオフィス環境も基本的に悪いと思ってよく、デスクワークも辛いものになるでしょう。
(※仕事内容は会社・部署により様々なので例外もたくさんあります)



×社長が有名人(CMでよく見る)

どちらかというとブラック企業の見分け方に近いですが、社長が有名なところは総じてブラックなところが多いです(もちろん例外もあります)。
こういった社長は自己顕示欲が強いワンマン経営者であることが多く、社員は搾取の対象くらいにしか思っていません。
当然「社員に快適な環境を」などとは考えていないでしょう。



〇幅広い年代の社員が働いている

社員の年代に多様性があると価値観も多様であるため、異質なものを受け容れやすい土壌があります。

逆に特定の年代に集中している場合は価値観・社風が偏りやすい傾向があるため、視線恐怖症・対人恐怖症の方は異質なものとして排除の対象になるかもしれません。



〇調査・分析・レポート作成系の職種

いわゆる裏方的な役割の仕事です。
他の前面に立つ仕事と比べて他者と関わる機会が少なめであるため、作業に集中しやすいオフィスレイアウトである傾向が強いです。
打合せ・会議も比較的少ないです。

集まってくる人も同じような環境を求めてくることが多いので、過度な干渉もなく快適に過ごせることでしょう。



〇従業員数が少ない会社

快適なレイアウトを実現するには通常よりスペースが必要であるため費用がかかります。
規模の大きな会社だと踏み切るのが難しいケースでも、少人数の会社であれば(比較的)実行しやすいです。
異動等による職場移動・座席替えのリスクが少ないのもメリットです。



〇海外資本の企業(外資系)

国にもよりますが、欧米系(特に欧州)の会社は労働者を大切にします。
従業員が心地よい環境で仕事をすることが結果的に最も会社に利益をもたらす
という考え方をしているところが多いように思います。
職場にもその考え方が反映されていて、個人のスペースがしっかり取られていていることが多いです(もともと土地が広い、労働者の権利意識が高い、個を尊重する文化、という点も影響していると思います)。

外資系というとハードルが高いと思う人もいると思いますが、ゴールドマン・サックスのような超高給企業ばかりではありませんし、日本勤務だと英語を話せなくても大丈夫なところが案外多いです(最低限読み書きできるレベルは必要です)。

派遣スタッフを雇うこともあるでしょうから、派遣サイトに登録して求人が出るのを待つのが狙い目かもしれません。



まとめ

・人と関わらない仕事で生きていくのは現実的でない
・良い”職場”を見つけることが重要
・職場環境を事前に確認するのが一番大切。妥協は禁物
・職場の状況は会社の特徴からある程度判断できる

以上です。
ここを見たみなさまが良い職場にめぐり合えることを願っています。



対人恐怖症・視線恐怖症を根本的に治したい方へ

対人恐怖症とは?原因と対策、治す方法について
視線恐怖症とは? 原因と治し方
⇒対人恐怖症・視線恐怖症を克服した自身の経験から原因と対策、治療法についてまとめた渾身の記事です。対人恐怖症・視線恐怖症を根本的に治したいと思っている方に是非見ていただきたいです。

対人恐怖症・視線恐怖症治療プログラムのご紹介



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上記(B)に近いレイアウトを採用している会社(職場)の一覧を作成してみました。
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